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ー記憶ー110
雄介は望からその携帯を渡され、初めて望の携帯は防水用携帯だったことに気付く。
だから、あのスプリンクラーが発動した時にその携帯は無事だったのであろう。 しかも、データ云々かんぬんもしっかりと残っている状態だ。
これは完全な雄介の誤算だったのかもしれない。
この携帯のせいで雄介が望に言っていた従兄弟だという事が全てバレてしまっているのだから。
これでは雄介の計画通りには今後いかないという事だ。
しかも、もう望はその携帯の中にあるデータを見ていたのだから、尚更だ。
もう望との関係は従兄弟同士ではいられないのかもしれない。 じゃあこれからはどんな関係でいられるのであろうか。
……友達?
……親友?
……従兄弟?
……恋人?
いやもう望はきっと雄介との関係をその携帯で知ってしまっているのだから、寧ろそこはもう恋人関係でいられるって事になるのかもしれない。
「この携帯って俺のだろ? そこにあるメール見てみろよ……。 お前と俺のメールでのやり取りが残ってるだろ? それって、どう見ても、従兄弟同士のやり取りじゃねぇよな? ってか、そのメールの文面っていうのは、どう見てもお前と俺の関係っていうのは恋人関係じゃねぇのか?」
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