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ー記憶ー113
望の挑発的な行動に、雄介の理性も限界に近づいているようだ。 彼は確かに目の前にいるのは自分が惹かれた相手だが、その望は記憶を失った別人であり、その状況に戸惑いを感じているようだ。 しかし、雄介もまだ望との関係が新しく、我慢の限界に達しているのかもしれない。
「……望……ホンマはな……好……」
雄介が告白しようとした瞬間、部屋のドアが開き、和也が姿を現す。 彼は雄介と望の関係に気づき、自分が邪魔だとして退室する。 雄介は現実に引き戻されたように和也を呼び止めるが、その隙に望が彼を誘う。
「なんだよ……。やっぱり、お前は、この俺じゃ不満なのか?」
「ちょ、違うって! ホンマにっ!」
「じゃあ、お前が俺の事、好きって事を証明してみせろよ」
望の誘いに負けたのか、それとも何か考えがあったのか、雄介はとうとう望の誘いに応じる。 彼は望をベッドに仰向けにさせ、手首を押さえながら唇を重ねるのだ。 そして、舌を望の口内に忍ばせる。
「ん……ぁ……はぁん……」
望は喜びの声を漏らすが、雄介はそれで満足しているのだろうか。
「これで、満足か?」
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