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ー記憶ー116

 消防士は火災鎮圧や救命活動を主に行うが、レスキュー隊はその消防士よりも高い技能を持つエリート集団だ。 彼らは厳しいトレーニングを経て選ばれる。  雄介もまた、レスキュー隊に憧れを抱いていた。  彼はいつかその一員になりたいと思っており、このチャンスを逃すわけにはいかないと考えた。  しかし、望のことが心配だ。 いや、逆に彼が記憶を失っている今こそチャンスではないか。 望の記憶がないことで、彼に気を遣わずに行動できるという利点がある。  雄介はそう考え、レスキュー隊になるための申し込みをする。  その間、彼はこの町を一時離れなければならないが、逆にこれは良い機会だと思った。  もし望が記憶を失っていなかったら、ここを離れる機会はなかったかもしれない。 それゆえ、雄介にはレスキュー隊になる資格がなかったかもしれない。  しばらくして、雄介はレスキュー隊の研修を受けることになった。  彼はその研修を受けるため、和也に「レスキュー隊の研修を受けに行く」とだけ告げ、研修の場へと向かった。  レスキュー隊の研修は消防士時代とはまったく違うものだ。 本当にエリートと呼ばれるだけのことはあり、体力だけでなく知力も必要とされる厳しいトレーニングであった。

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