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ー記憶ー117

 雄介は自ら志願した以上、弱音を吐くわけにはいかないと思った。  しかし、どれだけの研修を積んできたのか。  雄介の体は精神的にも体力的にも限界に達しているようだ。  今日一日の研修を終えて体を休ませることができるのは、寝る時だけだ。  雄介は疲れた体を休めるためにベッドに横になり、瞳を閉じたと同時に携帯が震え出す。  雄介はメールだと思って無視していたが、携帯が未だに振動していた。  仕方なく、雄介は半身を起こし、携帯を見る。  そこには『和也』と書かれていた。  その名前に溜め息をつきながらも、雄介は仕方なく電話に出る。  しかし、いつもはメールなのに、何で今日に限って電話なのだろうか。  そこで首を傾げながらも、雄介は通話ボタンを押す。 『よっ! 元気にしてっか?』 「ああ、まぁな……。 研修の方はめっちゃ辛いけど……」 『やっぱ、大変なんだな』 「ああ、まぁな……。 とりあえずさ、また、明日もあるし、電話切ってもええか?」  雄介はもう限界の限界なのだろう。 声までもが掠れてしまっている。 『え? 本当にこの電話を切ってもいいんだな?』  そう、和也の口から意味ありげに言ってくる。 『本当にこの電話を切ってもいいんだな?』

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