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ー天災ー40

 その間も、望からはため息が漏れていた。  こんな望を見るのも久しぶりだと思う和也。  今度はパソコンに触れているのか、キーボードを叩く音が部屋内に響く。  確かに望が言っていることは合っているようだ。 ため息の数は多いが、今回はきちんと仕事をしているのだから。  そして、この静かな空間に突如としてガタガタという音と共に、地面いや建物全体が揺れ始めた。 「じ、地震!?」  二人はほぼ同時に声を上げ、立ち上がる。 しかし、立っていられないような揺れが今起こっていた。  揺れが少し収まった頃、二人は直ぐに立ち上がり、部屋を飛び出して入院病棟へと駆け出す。  今はとりあえず、自分の身よりも患者さんの方が心配だからだ。  二人は非常階段を使って病棟の方へと向かう。 外科病棟へと着くと、思った通り病棟内はパニック状態だ。 歩ける患者さんは廊下へと出ていて、それを静止する看護師さんたちがいた。  廊下には患者さんたちが出てきていたが、逆に廊下の方が安全なのかもしれない。 病院の廊下というのは逆に何もないからだ。 病室内には確かにテレビや棚があるが、一応は固定されているものの今の揺れでどうなっているかさえ分からないのだから。

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