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ー天災ー56

「あ、サンキューなっ!」  和也に渡された布団を受け取った直後、 「な、和也……その布団は誰のだ?」 「ん? 俺のだけど……」  和也はもう寝る準備をしているのか、ベッドの方からうつ伏せの状態で答えた。 「和也は布団いらなくていいのかよ」 「別に寒くないし……ま、平気って言えば平気かな?」 「やっぱりかぁ」  望は一つため息を吐くと、 「今は元気でも、風邪引いたらどうすんだよ! 雄介! その布団は和也に返せよな!」  望の言葉に怒っているようにも思える。 雄介は答えた。 「はぁ……ま、俺は布団なくても平気やねんけどな」  雄介は和也に布団を返す。 「はい」 「あ、ああ……?」  望の言葉に腑に落ちないような表情をした和也。 気になったのか和也は、 「じゃあ、雄介はどうすんだよー」  なぜか和也は頰を膨らませて言う。 「俺と一緒に寝ればいいだけの話だろ……」  そんなことを言う望に、雄介と和也は視線を合わせて目を丸くした。  どういったわけか。 さっきまで望は雄介に対して怒っていたのに、今はこんな調子だからだ。  そんな望に和也はクスリとすると、 「望がそういう風に言ってますけどー! ま、まぁ、良かったんじゃないのか? 雄介……! やっぱ、お前たちは本当にラブラブなんだな。 とりあえず、俺はもう寝るっ! もう! お前たちが熱すぎて見てらんないし!」  和也はそう言うと布団の中に潜った。 「あんなぁ!」  と雄介は和也に何か抗議しようかと思ったが、その時にはもう和也の姿はなかった。 どうやら本格的に布団に潜ってしまっていたようだ。

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