270 / 1471

ー天災ー91

 ロビー内をバタバタと走る看護師たち。 入口からは次から次へと患者さんたちが運ばれて来ていた。  それを見た瞬間にはもう、望たちも行動を起こし始める。  いつも診察室として使っていた部屋も今は処置室になっていて、そこでも治療が行えるようになっているのだ。  色々と治療している中で、和也と望のコンビは最強だ。  というのか、息がピッタリ合っているという方が正しいのかもしれない。  和也は望の指示に従って薬や包帯を出す。 いや、言われる前に出していると言った方がいいのかもしれない。  ひと通りやり終えると、今度は和也は裕実へとバトンタッチしたようだ。 「とりあえず、望の言う通りに動いていけばいいんだからな。 次はやってみてくれよ」 「はい! 分かりました!」  そう、次の患者さんは和也が裕実に任せることにしたようだ。  次に運ばれて来た患者さんの治療に入る望。  すると、裕実は新人という程ではないことに驚かされた。  昨日和也が言っていたことは本当だったのであろう。 凄く動きがいいのだから。  それでも、裕実は望の指示について行くのがやっとのように思える。  一人治療を終えたところで、望は、 「和也が言っていた通り、本宮さんは大丈夫みたいだな。 俺に付いてこれてるみたいだしさ」 「そうみたいだよな……なら、いいんじゃねぇの?」

ともだちにシェアしよう!