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ー天災ー110

 望はそう言いながら、いつものソファへと腰掛ける。  毎晩のように雄介のことを考えているのと、日頃の疲れが溜まってきているのであろう。 望の顔色は昨日よりも悪い。 そして肌の色だって確かにいつも白いものの、青白いという方が正しいのかもしれない。 「やっぱ、そんなんじゃ患者さんのことなんか診れねぇよ……患者さんの方に心配されるようじゃ意味がないと思うしさ、今日はゆっくりと休んだ方がいいんじゃねぇのか? それに倒れてしまったら、雄介にも申し訳ねぇし」 「ん?」  その和也の言葉に反応したのは雄介だ。 「ま、和也の言う通りやな。ホンマに診察中とかに望が倒れてもうて、一生会えなくなるよりかは今日はゆっくり休んでもらってくれた方が俺も嬉しいわぁ」  そう笑顔で言ってくれる雄介には有り難いのだが、望からしてみたら何だか複雑な気持ちだった。 だって今まで夜寝れなかったのは雄介の事を考えすぎてるからであって、どうせ昼間に横になったって寝れる訳がないのだから。 それなら仕事をしていた方が気が紛れるのかもしれない。 でもみんなが心配してくれているのだから、ダメ元で横になっていた方がいいのかもしれないと思ったのであろう。 「そっか……ありがとうな。 みんながそう言ってくれてるんだから、今日は休むことにするよ」  望はそう言うと、素直に寝室の方へと向かう。  雄介は望が行ってしまった後に大きなため息を吐く。

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