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ー空間ー50
「あ、ああ……分かってるよ。 よし! マジに行こうぜ! 行くのが遅くなっちまうからよ」
そう言うと和也は目の前にある車の鍵を開けて車へと乗り込む。 裕実の方も車へと乗り込むと今度はさっき和也に教えてもらった通りにシートベルトをすると、もう簡単に出来るようになったようだ。
和也は車を走らせる。 しかも、もう二時間もだ。
さっき和也はホテルに行くと言ってなかっただろうか。 だがそのホテルももう何件も過ぎてしまっている。
確かに震災後で未だ営業していなかったホテルはいくつかあったが営業している所はあった筈だ。
そこに不思議に思った裕実は、
「和也さん……いったい、何処に行こうとしてるんですか?」
「……へ? ただのドライブだけど……」
そう素で答える和也。
それを聞いて裕実の顔が真っ赤になる。
そう裕実の中では焼肉屋の後は絶対にホテルに行くと思っていたからだ。 そう考えていた自分に恥ずかしくなったのであろう。
そして色々な思いと共に今思っていたというのか今まで和也に嘘ついて来た事が後ろめたくなったのか、
「和也さん! ごめんなさい! 僕、さっき、嘘をついてました……」
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