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ー空間ー60

「じゃあ、俺の触ってみるか?」 「い、いいですよ。 分かりました……和也さんの方も僕に本気ってなんですよね?」  そう言うと裕実は半身を起こし裕実自ら和也へと唇を重ねてくる。  そんな不意打ちなキスをされた和也の方は目を丸くし和也は一瞬間を置くと裕実に笑顔見せるのだ。 「うん……良かった……。 お前も俺の事本当に好きみたいでさ……なんか、俺の方も安心したって感じかな?」  和也はそう言うと唇や額や頰にも何度もキスを落とすと裕実の体からは完全に力が抜けてきたようにも思える。 これで二人共安心出来たのであろう。  再び裕実の額にも唇にもキスを繰り返していると和也は恋人同士の魔法の言葉を言い始めるのだ。 恋人達にとって大事な言葉だろう。 「本当に今は……お前の事が本当に好きだ……そして、大切にしたいと思ってるんだからな」 「僕もですから……だから、そんな不安そうな表情しないで下さいね」 「そっか……俺もそんな顔してたのか?」  和也は裕実の体をギュッと抱きしめる。  和也だって裕実とはこんな関係になれるとは思ってなかった事だ。 例え自分が好きになっても相手が同性に興味が無ければ付き合う事さえ出来ないのに裕実とは付き合う事が出来た。 だから告白だって相当勇気がいる事だ。  しかも異性よりも同性で本当に好きな人とカップルになれるのは相当率的には低いだろう。  でも和也の願いは叶った。 だから相手を大切にしたいと思うのは人一倍なのかもしれない。 「裕実……次の休みの日にはまたデートしような」 「僕は構いませんよ……和也さんとならね」 「ああ……」  和也は安心したような表情を見せると行為を再開させるのだ。

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