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ー空間ー90

 そう言いながらも和也は部屋内にあるカーテンを開けると望へと近付き望の体を揺すり起こす。 「起きろよ……望……朝なんだからさ」 「ん? あ、ああ……」  望は和也の声で起きたのか、起きた直後に体を伸ばすのだ。 「あ、あれ? 俺、また、ここで寝ちまったのか!? あー! もう、そろそろ背中痛ぇー!」 「それは、ちゃんと布団で寝なかったからだろ?」 「だけどさ、終わったのが、五時だったんだからよ……そのまま、動くのもめんどくさかったしさ」  望はそう言いながら本当に二日もここで寝てしまっていたのだから背中や腰や首までも痛かったのであろう。 色々と伸ばし始めるのだ。 「え!? 五時まで掛かったのか!?」 「ああ、でも、終わらせたから後は見直すだけかな?」  望は終わらせた事がよっぽど嬉しかったのか珍しく和也に向かい笑顔を見せる。  そして何やら望は和也の事について気付いてしまったようだ。 「……って、和也ー、服、昨日のまんまじゃねぇ?」  流石は記憶力がいいというのか頭がいいというべきか、どうやら望は昨日の和也の服装を覚えていたらしい。 「え? あ、ああ……ちょっとな……」  と誤魔化す和也。 そして流石に気まずく思ってしまったのか急いでロッカールームへと行ってしまうのだ。

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