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ー空間ー104
だが、雄介からしてみたら、その望の行動は予想の範疇だったのであろう。 雄介の方は望の姿を捉えると、雄介の方も言葉は発せずにゆっくりと望の方へと歩み寄り、黙って望の肩を抱き締めるのだ。
「久しぶりやんなぁ……俺はめっちゃ望に会いたかったわぁ」
そう言われたって、望の中では、まさかこんな所で雄介に会えるなんて思ってなかったのか、ただただ口をパクパクとさせているだけで、本当に心の中ではパニック状態なのが分かる。
確かに望は明日、雄介のところに行くというサプライズ的な事は考えていたのだが、先に雄介にやられてしまった。
「……って、何で、お前がここに……い、居るんだよっ!」
「それはやな……和也に呼ばれたからやって。 そうそう! 一週間前位に俺が勝手に東京に行ったら、望に怒られたやろ? その後に和也から飲み会の写真送られてきて、そんで、今週末も行ったる! ってメールしたら、今週末は望が来るって書いてあってな……そいで、和也とメールしあって、ここに来たって訳や」
雄介はそう言うと、今度和也の方に視線を送ると、一旦、離れていた二人だったのだが、再び裕実と和也の方は手を繋いでいて、和也はその雄介の視線に手を振っていたのだ。
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