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ー空間ー111

 和也はそう言うとベルを鳴らして店員さんの事を呼ぶのだ。  注文をした後は四人で楽しく会話を始める。 「なぁなぁ、和也と裕実とは初めての時はどうだったん?」 「あんなぁ、それはすんなって言っただろ?」  そう和也は目を座らせてまで言うのだったのだが、 「もー、和也位は分かってくれるって思うておったんやけどなぁ。 俺の方は望に会えなくて、会えなくて、更に寂しい思いもしとって、不満だらけなんやぞー、話位やったらええやんか。 それに、他人のっていうのも興味あるしな」  そう言う雄介に和也の方は吹き出す。  しかも雄介の言葉に賛同しているようだ。 「ま、確かにそうだろうなぁ……」  和也は望の方にチラリと視線を向けると直ぐに雄介の方へと視線向け、 「えーと……お前等はどれくらいしてないんだ? 雄介が東京を出る二日前位だったか?」 「あー! そういう事やって! せやから、もう、俺の方が……我慢っていうんか、不満爆発寸前なんやってなぁー」 「そりゃ、確かに不満だわなぁ」 「せやろ?」 「え? でもな……」  和也はそこで言葉を詰まらせる。 そして裕実の様子を伺うようにチラリと見るのだ。 「な、なんですか? ぼ、僕の方は……別に……話しても……か、構いませんけど……」  そうは言うものの裕実の顔は真っ赤だ。  きっとそう言われて和也との初めての事を思い出しているのかもしれない。 「じゃ、いいんだな?」  和也は裕実に確認するかのように聞く。 すると裕実の方は頷いてくれたようだ。

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