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ー空間ー113
その言葉を聞いて、和也の方はやっと肩の荷が下りたのか、大きく息を吸い込み、大きく息を吐く。
「ああ、望…… ゴメン………それとありがとうな」
「ああ……」
その言葉に対して、望の方も笑顔になる。
「それと、雄介にも謝らないとな」
今度、和也は雄介の方へと顔を向けると、
「本当に雄介が望のこと好きだっていうの分かっていて、先に望のこと抱いてしまってさ」
和也はそう言うと、雄介の方にも向かって頭を下げる。
「あ、ああ…… まぁ、いつまでもそんなこと考えてないでええよ。 だってな、和也には色々と助けられたこともあったし、ほんでもって、その和也のおかげで俺らはこうして今でもラブラブでいられるんやもんな………こっちが感謝してるくらいだわぁ」
「ああ! そん時には任せるわぁ、コイツは素直じゃないしな…… まだ、俺の方は望のこと分かってへんし、また、そんな時があったらな…… そん時にはまた宜しくな」
雄介にもそう言われて、和也の方はホッとしたのであろう。 今度はいつもの調子に、
「そん時は教えてやるよ。 今だって、望の奴… すっげぇ、照れてるけど、お前のことすっげぇ好きなんだぜ」
「おう………知っとる………実はさっきな」
そう、雄介がさっきメニュー表を見ている時のことを言おうとしているのを悟ったのか望は雄介の横から雄介の口を両手で塞ぐのだが、
「ぁー、ぁ、せや………からな……」
それでも、雄介の声は望の手の隙間から聞こえてくる。
「さ………っきな…… ギュッって…… してくれてたんやって……」
逆に、望が雄介の口を塞いでしまっていたことで、結構重要な部分が聞こえていなかったらしく、
「ん? ん?? 何? 望に雄介のアソコをギュッとされた?」
「馬鹿っ! 違ぇよ!」
望はその和也の言葉にそう即答する。
「へ? じゃあ………まさか!? ケツ?」
「違げぇからっ!」
望はそこでもう諦めたのか雄介から離れて席へと座ると和也から視線は外すものの、
「手だ! 手をだ!」
と言うのだ。
そんな望の様子を見て、雄介と和也はクスリと笑う。
そういうような話をしているうちに注文した料理が運ばれてきたらしく、四人は食べ始めるのだ。
初めてプライベートで話をしている四人。
やはりそこは仕事をしている自分たちの姿ではなく素で話せるという仲間なのであろう。
「ホント…… 望さんって、仕事とプライベートでは違うんですねぇ」
「っ……! お前はまだそれを言うのかっ!」
望の方も、そういう風に言ってくる裕実に和也や雄介とは同じような態度を取るようにしてきているのか裕実のことを軽く睨むのだ。
「裕実も雄介達みたいに俺からの攻撃を受けたいのか?」
そう、半分は冗談で言っている望。
「ご、ごめんなさーい…… も、もう言いませんから……」
裕実の方はそんな望に対して半分泣きそうな顔で見つめているのだから。
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