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ー空間ー115
「望……何処に行くん!?」
そう、雄介が望に声をかけた直後、望は雄介のことを睨むようにして見上げる。
「ただのトイレだよ。 そんなことまでお前に言わなきゃならないのか?」
「あ、ああ……すまん。 そんなことも気づかないで。 でもな、なんていうんか? さっきの望の態度が気になってな。 ま、このまま手を離したら、離れて行ってしまいそうな感じがして……そして、どこかに行ってしまいそうな感じがして、付いて来たってことかな?」
そう言いながら、雄介は頭を下げていたが、上げると瞳を潤ませた望の目が視線に入ってくる。
「へ? あー……ちょっ、え!? 急に、ど、どうしたん?」
望は雄介と視線が合ってしまい気まずくなったのか、すぐに話を変えてしまい、
「な、何でもないから……とりあえず、その手を離してくれねぇかな? 本当にトイレに行きたいんだからさぁ」
「ちょっ、でもな……今はなんていうか……この手を離したくないんだけど……。 だってな、望がその……瞳を潤ませてる理由を聞くまでな」
そう言うと、雄介は望の手を取りトイレに向かったが、そのまま個室へと向かうのだ。
そして個室へと入ると、雄介は正面から望を抱きしめる。
「やっと二人きりになれたなぁ。 望はさっき俺が言ったこと、気にしているんだろ? 『素直な方がいいな』って言葉にな。 ほんで、それを聞いた望は、切なくなってしまったんだろう?」
望はそれを聞いて、雄介に言い当てられてしまい、ビックリとした表情をしながら、雄介の胸の中におさまっていた。
そして、雄介は言葉を続ける。
「それで、望のことを傷つけてしまったんなら、ごめん。 でも、さっきのはノリみたいなもので、本気ではそうは思ってはいないかんな……ま、とりあえず、俺は本当に望一筋で、本当の本当に望のことだけが好きなんやし、そこは、本当に安心して」
そう、雄介は望の肩に両手を置き、望に向かって真剣な眼差しで話す。
望はひと息吐いて、
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