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ー空間ー141
「んー、まぁ、確かにそうなんだけどよ。 お前はそれでいいのか? この分だと明日までイチャイチャできなくなるぞ?」
そう和也はポツリと漏らす。
すると、雄介は車の中で頭を抱えて急に叫び出した。
「あー! せやったわぁ……! それは絶対にアカンって! 今でもまだ望のこと足りないって思うとるのに……明日までってなぁ?」
そんな雄介の様子を見ていた望だったが、ため息だけを吐くと逆に窓の外を流れる景色を見ていた。
だが、高速で見えているのはただの防護壁しか見えない。
和也の言う通り、ここで雄介と望はイチャイチャしなかったことを後で後悔するなんて、今は思っていないだろう。 飛行機であんな事件が起こるなんてことを……。
和也は飛行場へと戻ってくると、車を一旦駐車場に止め、望や雄介を送るために車を降りる。
今は先程とは違い、暗い闇に包まれた世界が広がっていた。 だが、空港周辺は飛行機が離発着するために明るくなっている。
とりあえず雄介は和也の車のトランクから望の荷物を受け取って軽々と持ち歩く。
最初、望が一人で運ぶと言っていたのだが、雄介が持つと言うと、どうやら望は雄介に荷物を任せたらしい。
そして再び四人はターミナル内へと足を運ぶ。
望はそんな雄介の優しさに顔向けができないのか、早足でターミナルへと向かっていた。 だが、雄介は荷物を持っているにも関わらず、望に追いつくようなスピードで歩いてくる。
そんな望と雄介の後を追うように歩いているのは和也と裕実だ。
そんな中、和也と裕実はまたイチャイチャと会話をしながら歩いていたのだが、左側から走ってきた男性に気付かず、裕実にぶつかってしまった。 裕実はよろけてしまったが、和也のサポートのおかげで床にお尻をつかずに済んだようだ。
その男性はかなり慌てた様子だったが、ぶつかったことに関して裕実に軽く頭を下げて、その場を後にする。
「……ったく。 なんなんだよアイツ……! 人にぶつかっといて、あの態度はなんだっつーの! まぁ、とりあえず、頭下げてきたのはいいんだけどさ」
「仕方ないですよ。 きっと、あんなスピードを出していた位ですから、きっと、あの方も急いでいたのでしょう? 僕たちには気付いていたようでしたが、足を止めることができないスピードだったみたいでしたからね」
「ん? あ、まぁ……そうだな」
相変わらず裕実には鋭い感みたいなのがあるのか、文句を言っていた和也にそう答える裕実。 そんな会話をしながらも、先に行ってしまった望たちを追いかけるように和也たちも足早に望の所へ向かう。
しかし、和也にはさっきの男性のことが気になっていたようだ。
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