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ー空間ー164
雄介は副操縦士たちを先に助けようとしたが、今は犯人たちから目を離すわけにはいかない。 一瞬でも隙を見せれば、きっと犯人たちは雄介を襲ってくるだろう。
操縦士たちを助けたい気持ちをグッと押さえ、今は犯人たちとやり合うのが先だと考えた雄介は、犯人たちの方へと向き直した。
しかし、こんな狭い空間で犯人たちとやり合うことができるのだろうか? いろいろなボタンがあって、それを押してしまうと大変なことになりかねない。 飛行機が急降下する可能性だってある。
あとは犯人の動き次第ということになるだろう。
雄介は考える。
よくよく考えてみると、本来ならとっくに空港に着陸してもいい頃なのだが、未だに飛行機は上空を飛行している。
ということは、犯人たちが操縦しているのだろうか?
一人は操縦席に座っているのだから、そうなのかもしれない。
「やっぱり、俺たちの仲間は捕まってしまったようだな。 さっき、こいつと話していた人は確かに俺たちの仲間の声に似ていたが、話し方が違うとは思っていたけどよ。 とりあえず、お前が何者かってことは俺たちには知ったこっちゃねぇんだけど、今、この飛行機は俺が操縦してるってわけ……それ、分かってる!? しかも、オートパイロットを解除してるってわけさ。 さて、本物の操縦士さんたちはそこで伸びてるっていうのか、倒れていて意識もわからない状態。 こんな状況でお前はどうするわけ!? 俺たちが操縦桿を離したらどうなるの? 操縦桿を握ってなかったら、飛行機はこのまま急降下して墜落ってわけだ。 なら、お前はそこから動くことはできないよな? んじゃあ、そこで俺たちの計画を見てるしかないってわけだ」
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