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ー空間ー166
早くしなければ本当に乗客の命さえも危ない状況だ。
いや、人のことを考えている場合ではない。 ここで助からなければ雄介も望も、本当にこれから先の未来はない。
もう雄介には迷っている暇など残されていない。 とりあえず今は目の前にいる犯人二人を倒すしかないようだ。
よく見てみると、二人とも、しっかりとシートベルトを締めている。 多分、シートベルトを外すには時間がかかる可能性がある。 まずは片方の犯人を完全に捕まえてから、上手くできるかわからないが、もう一人は外し終えた直後に足を使ってお腹を狙う。
そう雄介は頭の中でイメージを膨らませ、一歩ずつ犯人の元へと歩みを進め、操縦席に座っている犯人の元へと向かい、後ろからいきなり右腕を掴む。
だが、雄介が思っていた以上にうまくはいかず、すぐさまその隣の操縦席に座っていた犯人が直ぐにシートベルトを外してしまい、その直後に雄介の背中に痛みが走ったようだ。
「……くっ……痛っ……」
だが今は痛みで体を休ませている場合ではない。 雄介は最後の力を振り絞り、足に力を入れると、右足で思いっきり副操縦席側にいた犯人のお腹へと一発蹴りを喰らわせる。 それがうまく犯人のお腹に入ったようで、その犯人は床へと落ちていく。
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