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ー空間ー167
雄介はその姿を見てニヤリとすると、今、雄介の手で押さえている操縦席側の犯人をそのまま取り押さえる。
その間、誰も操縦していない状態の飛行機は急降下を続けている。
だが、雄介はさっきの背中へのダメージがあってか意識が朦朧とする中にも関わらず、すぐさま操縦席に座り、操縦桿を握って飛行機の高度を上げにかかる。
そして雄介はヘッドセットを耳に当てると内線で白井へ連絡を入れる。 雄介は犯人たちを捕まえるように指示し、白井はその犯人たちを一番後ろの席へと連れて行く。
もう一度、雄介は白井に内線電話で話しかける。
「あんなぁ……白井……聞こえとるか? あんな望の奴おるやろ? はぁ……はぁ……」
そう息を切らせながら話す雄介。
雄介はさっき犯人とやり合った時に背中を負傷しており、未だに雄介の背中からは止めどなく血が流れ出ている。
今はとりあえず雄介が操縦桿を握っていなければならない。 この操縦桿を離してしまえば、飛行機は瞬く間に急降下してしまい、本当に墜落してしまう。 だから、今の雄介には意識を失うわけにはいかない。 もしかしたら、もう気力だけで操縦桿を握っているのかもしれない。
「あんな……ここに居る……操縦士さんと副操縦士さんがな……怪我しとんねん……ぅ……っ……しかも、腕と足をな……こんな状態では操縦士さん達も操縦できへんと思うから……ぅ……ここから連れて行って、望に手当てを頼んでくれへんかな?」
「それは、構わないのですが……君は? 君は大丈夫なんでしょうか!? 何かあったのですか?」
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