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ー空間ー195
「お前は俺のこと好きなんだろっ!? 俺だって、お前のことがすんげぇ好きなんだよ! これだけ言っても分からないんなら……」
望はそこまで言うと、雄介の体をベッドへと押し倒し、雄介の肩へと手をつけると、望自ら雄介の唇へと唇を重ねる。
「ん……望……?」
いきなりのこと過ぎて、どうやら雄介の方は目を開いたままだったらしい。 だが今はそんなことは関係ない。 今、望の一言だけで急に雄介の中で安心感が沸き起こったのか、雄介は望の体を抱きしめる。
「ホンマ……俺もお前のことがめっちゃ好きやぁ」
いつもの雄介だったら、そこで調子に乗ってしまうところなのだが、今望が欲しい言葉だけを残し、しばらくの間黙ることにした。
今日は珍しく望から雄介に甘えてきているのだから、その時は逃したくはない。 だからあえて雄介は望にその一言しか返さなかったのかもしれない。
望はしばらくの間、雄介の上で言葉を発せずにいた。
すると雄介は望の体を撫でるだけで何もしてこないようだ。
「お前も……鼓動早いじゃねぇか」
「そりゃな……好きな奴が目の前におるんやもん、鼓動が高鳴るのは当たり前やんか」
「そうだな……ちゃんとお前が生きてるって証拠だもんな」
医療的な言葉を返す望に突っ込みたくなる雄介。
「良かった……ホント、あそこでお前が死ななくて良かったぜ。 飛行機での約束守ってくれたんだよな? なら、ご褒美しねぇと……普通、約束を守ったら、ご褒美って貰えるもんだろ? なら、何がいいんだ?」
やたら今日の望は素直過ぎて雄介の方が目を丸くしてしまいそうだ。 だが雄介はそんな望の性格を知っているからこそ、そのまま何も言わずに望のことを抱きしめたまま微笑む。
「せやな……ほなら……調子に乗ってもええのか?」
そう雄介は望の様子を伺いながら聞く。
「ああ……今日は許す……」
そこは相変わらずと言った方がいいのか、そう望はぶっきら棒に返す。
「ほならな……やっぱり、望のこと抱きたい……」
望はそこで息を吐くと、
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