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ー雪山ー18

 雄介はそう言い望の方へと体を向けると望の体を抱き締める。 「顔を俺の胸に埋めてでもええから、もう一回今の言うて……」 「ああ、お前の為なら、俺は構わねぇんだけど……」 「ほな」 「……お願いだから、今日は俺の事を抱いて欲しいんだけど」  流石に雄介の体に顔を埋めての状態だったのだから、望の声は篭ってしまっていてよくは聴こえてなかったのかもしれないのだが、雄介の事を誘うには十分な言葉だったらしい。 「ええよ。 こう望から言うてくれるとこっちまで嬉しい気分になってくるわぁ。 ほな、望、顔上げて……」  そう望の上から雄介の優しい声が降ってきて流石にもう雄介がそんな事を言う時にはどういう時なのかっていうのを分かっている望はゆっくりと雄介の方へと顔を上げる。  雄介は望の思い通りであろう額にキスし頰にもキスを落とすと、雄介は望も頰を両手で包み唇を重ねる。  雄介がゆっくりと唇を離した直後、望の方も自ら雄介の首へと腕を回し唇を重ねるのだ。 「望……!?」 「俺だって……好きなんだからな」  その言葉に雄介はもう我慢できないと言うばかりに望の体をベッドへと押し倒すと、雄介は望の足と足の合間に足を入れて四つん這いになり望の事を見下ろす形になる。  もう寝る体勢に入っていた望は普段掛けている眼鏡をしていなかった。  普段は見られないような望の顔に雄介はそっと望の頰に手を触れる。 「望って……眼鏡がなくても十分かわいい顔しておったんやな」 「うっせぇ! だけどな……俺の方は眼鏡がねぇと、お前の顔は見えねぇんだからな」

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