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ー雪山ー48
雄介は次の瞬間、望に向かって笑顔を見せていた。
その笑顔に、一瞬で顔を赤くする望。
「消毒終わりーっと……ほな、次は包帯やな?」
テキパキと治療していく雄介に、目をパチクリさせている望。
「お前さぁ、ある意味、新人さんより使えるのかも」
「なーに言うてんねん……こんくらい誰にでもできるやろ?」
「あ、ああ……まぁ、そうなんだけどさ」
さっきまであんなに治療を嫌がっていた望だったが、今は嘘みたいに笑顔になっていた。
「ほい! 終了!」
「あ、ああ」
望の睨んだ通り、雄介が巻いた包帯は緩くもなく、きつくもなく、ちょうどいい感じで巻かれていた。
望がそこで安堵してソファの背もたれに背中を預けていると、今度は部屋内に掃除機の音が響いてくる。
きっと雄介がガラスの破片の片付けを始めたのだろう。
だが、その掃除機の音がなかなか鳴り止まない。 ただガラスの破片を掃除するだけなのに、こんなにも時間がかかってしまうものだろうか? 望がふっとキッチンの方に視線を向けると、今はガラスが散らばった場所ではなく、どうやら雄介は他の所を掃除し始めているようだ。
「雄介……さっきの所だけでいいって……」
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