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ー雪山ー59

 そう言われてみれば確かにそうだ。  確かに昨日の望は、望から雄介に体を求めてきたような気がする。 「……ぁ……ぅん……まぁ、確かにな……」  雄介はそう優しく微笑むと、望の頭をそっと撫でる。 「望……食いたいもんとか飲みたいもんとかあるんか? それに、薬とか飲まなきゃアカンねんやろ?」 「あ、ああ、そうだな」  いきなり雄介は望の方を向いて立ち上がると、 「あ! そうやっ! 熱出した時って汗流すとええねんやろ?」 「だが、今は無理だからな。余計に体がだるくなるからさ」 「でもな」 「それに、その知識は間違ってるんだよ。そんなことしたら体もだるくなるだけだし、余計に体にある熱を上げることになっちまうだろうが……」 「せやけど、俺は望がそんなに苦しんでおる姿、見ておられんしなぁ? 他に何かないんか?」 「風邪の時は、とりあえず、額や首の後ろとかを冷やして、薬飲んで体を休ませることが一番なんだよ」 「せやけどなぁ? ホンマ、俺からしてみたら、望が苦しんでる姿、ホンマに見たくないねんなぁ?」  そう言う雄介は本当に今の望に何かしてあげたいのであろう。 「なら、俺の側に居てくれるだけでいいからさ」 「そんだけで望は治るんか?」 「流石に熱がそう簡単に下がるわけがねぇだろ? お前が何か俺にしたそうだったからさ。そう言っただけだ」

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