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ー雪山ー60
雄介は望のその言葉に再びベッドの端に座って腕を組み、俯いて何か考え始める。
雄介が考え事をすると、急に部屋が静かになる。
そんな時、望が急に声を上げた。
「とりあえずさ、熱がある時には寝るのが一番なんだからさ、寝かせてくれねぇかな?」
そう言う望は笑顔で雄介のことを見上げていた。
「望がそう言うんやったら、それでええねんけどな」
「そっか……そこでだな……」
望は熱のせいで顔を赤くしているのか、それとも恥ずかしさで顔を赤くしているのかは分からないが、雄介から視線を外すと、
「あ、だからだな……その……俺が……ぁ……安心して寝れるように……その……あのな……隣で寝ていて欲しいんだけど……」
そう望が言うと、雄介はクスリと笑う。
今の望は熱で顔を赤くしたのではなく、恥ずかしさで顔を赤くしたということが分かったからだ。
「望がそう言うんなら、俺はそれで構わへんで……」
雄介は少し冷えてしまった体を布団の中へと滑り込ませる。
「お前なぁ、冷てぇんだよ……その体で俺に引っ付くんじゃねぇよ……」
「来てええって言ったのは望の方やろ?」
「だからって……そんなに引っ付かなくてもいいだろうがっ!」
「あ!」
急に雄介が声を上げる。
「な、何だよ……急に……?」
いきなりの雄介の声に、望は引きつったような表情で雄介の方へ顔を向ける。
すると雄介は急にニヤニヤとした表情をし、
「なぁ?」
「なんだよ、そのいやらしい声は……」
「あのさぁ、熱が出ている時は人肌で温めた方がええって言うやろ?」
「それは違うんだよ……今は逆に冷やせっていうんだからな。よく考えてみろよ……。昔っていうのか、俺らが小さい頃は、熱が出ると額とか後頭部とかを冷やして、布団とかたくさん掛けられたもんだけどさ。それも、おかしな話じゃねぇ? 頭とか後頭部とか冷やしているのに、体には布団を目一杯掛けられて暑くするってさ。それで、汗かかせて体温を下げるって違うような気がするんだけどな。だからなのか分からないんだけど、熱が出ている時には逆に冷やした方が良いって言うようになったんだよな? それに、熱が出ている時に夏以外だったら、外の方が気持ち良く感じないか?」
まったく人の話を聞いてないだろ? と望は思いながら、雄介とは反対側を向いてしまう。
「そうやなくてやな? するとかしないとかじゃなくて……」
とボソボソと言い始めると、雄介は急に望の服を脱がし始める。
「ちょ! いきなり、何するんだよっ! やっぱ、ヤる気なんじゃねぇか!!」
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