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ー雪山ー102

「ただ、そういうことに関して望が積極的になるだけだからな」  そう言って、和也はクスクスと笑っている。  望はそんな和也に向かってファイルのようなもので頭を叩く。 「痛ってー! あー、もう、すぐ望って何か変なことを言うと叩くしー、そういうの反対!」  そう和也は口をとんがらせて抗議する。 「まったく、そんなこと言ってねぇで、行くぞ……」 「……ってな」  和也は何か言おうとしたが、まあ、いつもの望の行動だし、気にしていないようだ。  それから昼休みになると、二人は食堂へと向かう。  和也は普段は裕実と昼も一緒に行動していたが、今日は喧嘩しているため、望と一緒に行動しているようだ。 「そういや、スキーの日時とか場所とかって決めてくれたのか?」 「多分、まだ予約とかしてないんじゃねぇのかな? って、その前にさぁ、お前は裕実と元の鞘に戻らないといけないだろうが……」 「ま、確かにそうなんだけど……そんなのは後、後! 俺が慌てたって仕方がねぇことだろ?」  その時、和也の後ろの方で何やら物凄い鋭いオーラを感じたようだ。  そのオーラを感じた和也は後ろへと視線を向けると、やはりというところか、裕実が窓側の席から何やら和也に向けて視線を送っている姿が目に入る。 「案外……裕実って怖いんだな」  そう和也は望に向かってポソリと言う。 「そうみたいだな。でも、早く仲直りした方がいいんじゃねぇのか?」 「大丈夫だって、絶対に裕実は俺のところに戻って来るからさ」  そう何故か自信満々に言う和也に、望はため息をつく。 「ってさ、どっから、その自信が来るんだよ」  望は和也の言葉に呆れたように席を立ち、食器を片付けにカウンターへ向かう。和也もご飯を食べ終えたのか、望の後について食器を置きにカウンターへ向かう。  そして、昼休みが終わるまでの間は部屋で二人だけの時間を過ごし、それから午後の診察へと向かうのだ。

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