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ー雪山ー128

 和也は自分の今の状況に気付くと、 「ま、まぁ……とりあえず、俺の方はお前に伝えることは伝えたから帰るな。俺の方はお前がいいって言うまでお前に近づくってことはしないからさ。それに、俺が無理にお前に近づいて行って、無理矢理自分のモノにはしたくねぇしさ。俺的には二人の心が一つになった時にでも、また、お前とラブラブなことしたり、イチャイチャなことしたり、キスしたりするつもりでいるからよ」  「じゃあ」という言葉を付け足して、和也は今来た道を靴なしで歩き始める。  その途中、くしゃみをしながら歩き続ける和也。  そんな和也の後ろ姿を見ながら、そこから動きそうもない裕実だが、逆に言えば今の和也の言葉で何かを考えているのであろう。もし今の和也の言葉が裕実の心に届いていないのなら、もうそこで自分の家へと向かってもいいはずだからだ。  本当に和也は裕実のことを追い掛けるために何も持って出て来なかったのであろう。その和也の後ろ姿を見れば一目瞭然だ。  足元は本当に靴を履いていない。上着もこの寒いのにスウェット一枚しか着ていなかった。しかも、その歩く姿は痛々しそうだ。  確かに今の時代というのは道路は舗装されていて、石がゴロゴロあるような砂利道ではないものの、裸足で走り回れるような道ではない。確かにアスファルトで舗装はされていても、下はコンクリートなのだから、その上を裸足で走ったというのなら、摩擦とか小石とかで相当痛いに決まっている。

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