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ー雪山ー140
「そういうことかぁ、なるほどねぇ。本当にお前らもラブラブってわけだー」
「そ、そんなことねぇから! 絶対にありえねぇ!」
望は顔を真っ赤にし、後ろにいる和也を見上げた。しかし、顔を真っ赤にしていたら説得力はまったくなかった。
「ダメだなぁ、口で嘘ついても、顔に出ちゃってるんだもんなぁ」
和也がそう笑っていると、
「和也ってマジムカつくっ! そういう奴だったとは思わなかったぜ」
「ん? 知らなかったのか? 俺って、そういう奴なんだよー!」
和也が望をからかうように言うと、
「ま、いいや。望が元気になったんならな」
と、ぼそりと呟いてロッカーへ向かった。いきなりロッカーの方へ向かう和也の後ろ姿を望は目で追っていたが、心なしか和也の背中が寂しそうに見えたのは気のせいだろうか。和也の後ろ姿に首を傾げる望。
それから一週間後。
四人は前から計画していた泊まりがけのスキー場へと向かう。今回も和也の車で向かう予定だが、遊びに出かけるだけあってサービスエリアごとに望、和也、雄介で運転を交代することになっていた。
集合場所は望の家。みんなが知っている場所といえば望の家だからかもしれない。和也は望の家に向かう途中で裕実を拾い、望の家へ向かう。
今日の天気は快晴で、東京の澄んだ空には青空が広がっていた。
和也が望の家の前まで来ると、雄介が和也の車に向かって手を振っている姿が目に入る。
「相変わらずなんだな……雄介って……」
その雄介の姿にクスクスと笑う和也。和也の隣に座っている裕実もクスクスと笑っていた。
「なんか和也さんと雄介さんって似てるところありますよね?」
「はぁ!? どこが似てるんだよ……俺と雄介で……」
和也は裕実に雄介と似ていると言われて不満そうに抗議する。
「雰囲気っていうのか、性格が似てるっていうのかなーって思ったんですけど。ああやって、無邪気に手を振る姿とかね」
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