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ー雪山ー144
と、和也は心の中でこう思っているのかもしれない。「やっぱ、望の性格って未だによく分からないんだよなぁ」と……。
和也は運転しながら高速に乗り、途中で見えてきたサービスエリアへと入っていく。
「……ってか、サービスエリアには着いたんだけどさ……他に何か用事あるのか?」
「せやなぁ? 俺の方は何もないんかな? トイレも平気やし、飯の方もちゃんと食うてきたしなぁ」
「なら、運転交代っていうだけでいいか?」
「せやな……」
雄介がそう言うと、四人は一斉に車から降り、望は運転席に移動し、雄介は助手席に移動する。そして和也と裕実は後部座席へと移動するのだ。
「なんだろう? 自分の車なのに後部座席に移動すると、いつもと違う感じがするっていうのか……なんていうのか?」
「ま、そこはあるやろな? 滅多に自分の車の後部座席に座ることなんて無いと思うしな。まぁ、たまには和也たちが寛いでおったらええやんか」
「まぁな。で、望は逆に俺の車で運転大丈夫そうなのか?」
そう、和也はふざけて望に声をかけたつもりだったのだが、
「平気だろ? 基本的に運転の仕方は変わらないんだろ?」
「んー、基本的にはな……でも、確か、左ハンドルと右ハンドルって若干の違いはあったはずだぜ……」
そう和也は言うものの、そう言っている間に望はエンジンを始動させていた。
「……ってか、今日の望って、なんか……こうノリ悪いよな?」
「ただ単にお前がはしゃぎ過ぎなんだろ?」
「ホント、仕事終わった後の望の方がもっとノリがいい感じなんだけどなぁ。すぐに叩いたりしてくるしさぁ。ホント、望ってかなりのツンデレさんだよな」
そんなことを言われた望は、顔を赤くしながら運転をしていた。
「図星みたいだよな……。バックミラーでお前の顔見えてるんですけどー」
そう和也はクスクスと笑っていたのだが、望はそのバックミラーをチラリと見て、バックミラー越しに和也のことを睨み付ける。
「ホント、望ってそういうとこ可愛いよなぁ。すぐに顔に出るしさ。ってか、久しぶりに望が顔赤くしたとこ見たような気がする」
和也はクスクスと笑い始めるが、なんとなく望からの視線はなくなったようにも思えた。しかし、どうやら隣にいる裕実の方から視線を感じ、
「分かってるって、俺的にはお前も十分可愛いんだからな」
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