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ー雪山ー149
「ま、俺の方は望やったら、大歓迎な所やけどな」
またニヤケている雄介なのだが、そんな雄介の頭を軽く叩くと、
「確かにお前にだけなら問題ねぇんだよ……この前の月曜日、お前さ……俺に望のこと任せただろ? その時、俺は望に襲われかけたんだよ! 幸い、裕実が来てくれたおかげで難は逃れられたんだけどさ」
和也の方はそう言うと息を吐く。
「そうそう! 俺にはさ……今は裕実がいるんだから、望には一切興味ねぇんだし、そんなこと、されても俺の方が困るっていうのかな? それに、今まで通りの俺たちの関係でいたいしさ。 だから、望が熱を出してる時は気を付けてくれって言っての!」
「そういうことな。話はそんだけか?」
「ああ……」
和也はそう言うと後部座席のシートへと寄り掛かる。
「あ! そうや!」
そういきなり車内で大きな声を出す雄介。
「うるせぇな……いきなり、耳側で大きな声を出すんじゃねぇ!」
望はそう言いながら左手で自分の耳を塞ぐ。
「あ、スマン、スマン……」
雄介の方は望に向かって両手を合わせ謝ると、
「前に、望が記憶喪失になって、そん時、俺はレスキュー隊の訓練の方に行ってもうたやろ? ほんで、望のことは和也に預けて行ってもうたことあったやんか……その時の望ってどうやって記憶が戻ったん? 確かに、電話で望の記憶が戻った。っていうのは聞いておったんやけど。 あん時はさ、ほら、望の記憶が戻った!って、そこに感動してもうて、聞くの忘れておったんやけど」
雄介はそう言いながら望の顔を和也の顔を交互に見る。だが望の方はどうやらその話で顔を真っ赤にしているようだ。
和也の方は一つまたため息を漏らすと、
「まぁ、そこはショック療法ってやつだな」
和也の言葉に雄介はまた首を傾げる。
「まぁ、ついでに言えば、また、俺が雄介に謝らなきゃいけないとこって言うのかな?」
もっと、その和也の言葉で意味が分からない様子の雄介。雄介は腕を組みながら眉間に皺を寄せているだけだ。
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