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ー雪山ー162

「ほな、今日は俺の方は一人やし、俺のペースでいかせてもらうわぁ」  そう言って雄介は和也達とは別行動を取ったようだ。  それから三人は夕方までスキーを楽しむと、望がいるコテージの方へと戻って行く。 「ただいまー」  そう雄介は言いながらコテージのドアを開け、中へと入って行く。  だがコテージ内はまだ電気すら点いていない状態だ。 「ん? まだ、望の奴、寝ておるんやろか?」  雄介は首を傾げながらも中に入って電気を点けていく。 「望?」  雄介は望の名前を呼ぶのだが、寝室からは返事がない。  雄介の後に続いて和也も裕実も部屋の中へと入ってくる。 「スキーはさぁ、楽しいんだけど、寒かったよな?」 「まぁ、正確には、スキーして運動したせいで汗をかいてしまって、それが冷気に触れることで寒く感じるんでしょうけどね」 「ん、まぁ……そういうことだな」  和也は体を暖めるために暖房器具の前に行って体を暖める。  一方、雄介の方は望が居ると思われる寝室の方に向かうのだ。 「望ー、まだ寝てるんか?」  そう雄介は小さな声で望に声を掛けるのだが、望の方はまだ寝ているようだ。  雄介は望が寝ているであろう奥のベッドの方に近付くと、望は布団の中で丸まっている姿が目に入ってくる。 「まだ寝ておったんか」  雄介はその望の姿にそっと部屋を出て行こうとしたのだが、ふいに雄介の上着の裾を引っ張られているような気がして振り向くと、寝ていたと思われる望が雄介の服の裾を引っ張っていた。 「望……? 起きてたん?」 「さっきからな」  望はそれだけ答えると雄介とは反対側を向いてしまう。  雄介はそんな望の行動に再び微笑むと、ベッドの上へと上がって後ろから望の体を抱きしめるのだ。 「なぁ、望……今日は一人でここに居って寂しかったんやろ?」

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