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ー雪山ー166

「あ、ああ、大丈夫だ。明日は行けるまで回復したからな」  望はそう言いながら、和也たちが座っているソファの近くのソファへと腰を下ろす。  一方、和也は望の「明日はスキーに行く」発言に目を丸くしながら、雄介のことを見上げて視線を合わせる。  そう、お昼を食べている時に、望を抜いた三人で会話している時に、望は本当はスキーができないんじゃないかと予想していたからだ。 「本当にお前はスキーに行って大丈夫なのか?」  こう自然に聞いているようなのだが、完全に和也は望に疑いを持って聴いていることが分かる。  そんな聞き方をしたら誰だって気付くだろう。 「何をそんなに俺のことを疑ってるんだ? もしかして、俺がスキーできないとでも思っているんじゃねぇんだろうな? そもそも、こんな年になってできないわけがねぇだろ? そうそう! 今日は本当に調子が悪かったっていうだけだからな」 「ん……あ、まぁ、それなら、いいんだけどさ」  そう和也はまだ望のことを疑っているような口振りだ。  その二人の会話の間に入って来たのは雄介で、雄介は望の後について寝室の方から出てきて望の隣へと腰を落とすと、 「明日は望もスキーに行くって言っておるんやし、とりあえず、まぁ、飯にせぇへんか? 腹減ったしな」 「そうだな。よーし! 今日は焼肉にするぞ! そんでもって、お酒も大量に買い込んで来たし! みんなでわいわい今日は息抜きしようぜ!」 「せやな! 今日はそのためにここに来たんやしな!」  雄介と和也はそう言うと、ほぼ同時にキッチンの方へと向かうのだ。  そんな中、裕実と望はソファへと残され、裕実は、 「本当に望さん……明日はスキー大丈夫なんですか?」  そう聞いている。  こんな時、キッチンに立つのは雄介と和也だ。寧ろ、この二人は率先してキッチンへと行ってしまうのだから、望と裕実がいつも残される。というのも、キッチンにそんな大勢はいらないということもあって、二人が残されることが多い。

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