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ー雪山ー174

 裕実はそういったタバコもお酒もしないので、一人でジュースを飲んでいた。  そして、雄介が食べ終えた頃には和也も望も顔を赤くし、 「お前らってホンマはお酒弱いんとちゃうか? たったビール三本くらいで顔が茹で蛸のように真っ赤になってんでー」  そう言う雄介は望たちと同じくビール三本目なのだが、顔色はまだ変わらず四本目に突入している。 「んー、でもな……酒は呑まないとやってらんねぇだろ? 俺たちの仕事っていうのはさ……すっげぇ、ストレスが溜まるんだしよ。 それを患者さんの前で出すわけにはいかないだろ?」  望はそう言いながら雄介のことを見上げる。  だが酒の力というのは凄いものだろうか。 望は瞳を潤ませ、顔を赤くした状態でさらに雄介を誘うような瞳で見上げていた。 そんな姿を見せられたら雄介の方はたまったもんじゃない。  そんな望の様子に雄介は頭を抱え込んでしまう。  そんな雄介をよそに望は無意識なのか酒の力なのか、雄介を誘うような瞳で見上げている。  普段の望なら絶対にそんなことはしないだろう。 隣にいる雄介に仕掛けるように、雄介の足を撫でて雄介の体をギュッと抱きしめる望。  その望の行動に体をビクリとさせたのは雄介の方だ。  そして、和也はその様子を見ていた。  和也は望の行動にニヤニヤとし、 「なんやかんや言ったって、やっぱり、お前らってラブラブなんだよな。 絶対、望がそんなことをするのは雄介だけだぜ。 ホント、望はお前にお似合いって感じだよな」 「んー、なんだ? 和也ー、和也も俺に甘えて欲しいのか? なら、甘えてやっても構わねぇぜ。 俺はお前のこと嫌いじゃねぇしな」  そう言う望に和也は飲んでいたビールを吹き出してしまう。

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