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ー雪山ー176
望は雄介に向かって微笑むと、嬉しそうに雄介の元へと戻り、雄介の首に腕を回して望自らキスをする。
突然の望の行動に雄介は目を見開いたまま体を固めていたのだが、ゆっくりと瞳を閉じると、望の体を優しく包み込むようにして抱き締める。
「雄介……好きだからな」
そう簡単には望の口からは出てこないような言葉を聞いた雄介は、望のことを下から上へと視線を向けると、望へと向かって微笑むのだ。
「俺も望の事……愛しておるからな」
雄介はそう言い、今度は雄介から望の唇へと唇を重ねる。
その二人に和也は安心すると、裕実と一緒に立ち上がりテーブルの上にあるお皿等を片付け始める。
「まぁ、多分、無理だとは思うんだけどさ。お風呂、入って来られそうなら入って来いよ。入れないようなら、明日の朝にしたらどうだ? まぁ、お酒呑む前に入ってくれば良かったんだけどさ」
「まぁ、そうやねんけど、仕方ないやんかぁ。望の機嫌直すのが先やったしな」
「まぁな……で、どうするんだ?」
「俺等の方は先に寝かせてもらうわぁ。だってな、望がこないな状態じゃいけへんやろ?」
雄介は望の背中を押すと、寝室の方へと向かう。
寝室の方は誰もいなかったせいか寒く感じる。雄介は望の背中を押しながら寝室へと通じるドアを開け、直ぐ横にある電気のスイッチを入れて中へと入って行く。
そして先に望の事をベッドへと寝かせると、窓際にある暖房というかストーブのスイッチを入れに向かう。
「望……大丈夫なんか?体、熱いか?」
そう雄介は心配そうに望の様子を伺うようにして聞いてみる。
「大丈夫じゃねぇよ。体が熱いから、雄介、服脱がしてくれねぇか? 俺さ……今は思うように体が動かないんだからさ」
望は両手を上げて完全に雄介に甘えるように、雄介の手を引いて望の服のボタンを外させようとしていた。
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