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ー雪山ー179

「なら、良かったんじゃねぇのか? 俺的には、裕実が顔を赤くしながら恥ずかしがっててもやる姿が好きなんだからな。でもって、スリルっていうのがあっただろ?」 「そういう問題じゃないですからー!」  裕実の方は、こうプンプンと怒りながら先に布団の方へと潜ってしまう。しかも、頭から布団を被ってしまったようだ。  その裕実の様子に、和也からしてみたら可愛くて仕方がないのであろう。  和也は、裕実が潜った後、横から布団の中へと潜り込む。 「もう! 和也さんはソファで寝てください!」 「ソファで一人で寝るのは寒いに決まってるだろー。それなら、裕実と温まって寝たい。もう、とりあえず、今日はしないからさぁ、頼む! それとも、俺が風邪引いて寝込んだら、お前が看病してくれるのか?」  その和也の質問に対し、裕実の方は黙ってしまっていた。  もちろん答えはYESなのだが、ふざけて言い合っている中でYESとは何となく答えたくなかったからだ。でも、裕実的には本当に和也のことが好きなのだからNOとも言えない状況に黙るしかなかったという事だろう。  裕実がそこで黙っていると、和也は優しく裕実の体を抱き締め、 「裕実……ゴメンな。答えは十分分かってるから、いいんだよ……答えなくても。また、お前が可愛すぎるから無理させちまったみたいでゴメンな。本当にお前のことが好きだから、可愛いお前を見たいからついつい意地悪な事をしちまうんだよ。だから、抑えが効かなくなっちまうっていうのかな?」  その言葉に対しては、大人しく頷く裕実。  さっきまで完全に和也はふざけていたということは分かっていたのだが、そう真剣に言われるとふざけていないということが分かったからであろう。 「もう、ホント……和也さんってズルすぎて、カッコいいんですから」  裕実の方も和也のことを抱き締めるのだ。  裕実のその行動にハテナマークを浮かべる和也。今の裕実の言葉で、どこがカッコよくて、どこがずるかったのか? っていうのが分からなかったからであろう。  だが、そこは和也の性格上いつまでも引きずるタイプではなく、あまり気にせずに和也は裕実の体を抱き締めたまま瞳を閉じるのだ。

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