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ー雪山ー183

 四人は食事を終えると、受付でスキー道具一式をレンタルし、更衣室へと向かう。  和也は水色のウェア、雄介は緑色のウェア、裕実は赤と白が入ったウェア、望は白色のウェアにしたようだ。  そして四人は着替えを済ませると、いよいよゲレンデへと向かう。  流石は土日を挟んだ休みだけあって、スキー場はもう既に人でいっぱいだ。 「まあ、ここはまだ下の方だからさ、もう今日は上から滑らないか?」  そう和也は言うが、 「ちょっと待った! と、とりあえず俺は久しぶりだしさ、まずは簡単なコースから滑らせてくれねぇ?」 「あ、そうだったな……まずは簡単なところからがいいのかもな」 「まあ、そういうことだからよ」  望の意見で、四人はとりあえず簡単なコースから始める。  リフトで上がると、斜面の角度もまだ急ではなさそうだ。  そして、先に滑り始めたのは和也で、その後に裕実も滑って行ってしまう。  裕実は昨日、和也に教えてもらっただけあって、もう綺麗な滑り方で滑って行ってしまっていた。 「次は望が滑って行ったらええで……」 「あ、ああ、そうだな」  後ろから声を掛けられて望は滑り降りていく。  しかし意外にも、まぁまぁ滑れている望。  そんな自分に満足していると、上の方から本当に華麗に、そして望を簡単に追い越して行く雄介。  そんな雄介の姿に見とれながらも、望も自分のペースで滑り降りて行く。  そして下へと向かうと、望は和也たちと合流する。  だが、さっきまで青空だと思っていた空には急に雲が出てくる。山の天気は変わりやすいとは言うが、まさに今がそんな感じだろう。 「なんや、急に天気悪くなってきてもうたな」

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