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ー雪山ー214

「とりあえず悪いんだけどさ、元気にスキー滑れるようなら、下まで行って、ヘリの要請してきてくれねぇかな?」 「おう! 分かった! スキー用具一式、俺たちのは途中に置いてきちまってるから、借りて行くな!」 「ああ、それは構わないよ」 「じゃあ、とりあえず……俺、行ってくるわぁ」  和也は数時間しか寝ていないにもかかわらず、そう快諾し、文句一つも言わずに立ち上がると、笑顔で山小屋を出て行こうとした。その間際、 「望の方も頑張ってくれよ……あともう少しだからさ」  そう言って和也は山小屋を後にした。  和也が外に出ると、本当に昨日の吹雪が嘘みたいに、今日の朝は雲一つない青空が広がっていた。 「なんなんだよー、昨日の吹雪はよってくらいじゃねぇか。しかも、コテージまでそんなに距離なかったみたいだな」  和也の言う通り、今まで和也たちが吹雪が止むまで待機していた山小屋からコテージまでは、そんなに距離はなかったようだ。昨日はまったく吹雪のせいで視界がゼロに近かったから分からなかったのだが、晴れた今日という日は視界が完全に開けている状態で、本当に下の方にはコテージや食堂が入った受付用の建物が見えている。  和也は山小屋の外に立てかけてあったスキー板を手にすると、一刻も早く連絡をしに下へと降りていく。  その頃、山小屋の中にいる三人は、和也が帰って来るまでゆっくりとしているのだが、さすがは朝だということもあって、雄介がゆっくりと目を覚ます。 「……望?」

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