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ー雪山ー215
今まで裕実と雑談をしていた望だったのだが、いきなり雄介に声をかけられて、雄介の方に振り返る。
「ああ、何だ?」
多分、いつもの望なら、こうめんどくさそうに返事をしているところなのだが、今日の望はどうやら違うようだ。笑顔で雄介の方に視線を向ける望。きっと今日は、雄介が怪我人だからなのかもしれない。
「朝になったんかいなぁ?」
「ああ、まぁな。吹雪の方、おさまったみたいだからさ、今、和也にコテージまで行ってもらってるから、あともう少しで助かるからよ。足だってまだ痛むんだろ? だから、本当はまだギリギリまで寝ていてほしかったんだけどな。ほら、寝てた方が足痛まないと思ったからさ」
「ん、まぁ……確かに痛いねんけど、こんなもん、もうしょっちゅうやっておるし、まぁ、気になんないって言えば気になんないんかな?」
「我慢すんじゃねぇよ。顔には痛いって出てるんだからな。とりあえず、和也にはヘリの要請して来いって言ってあるから、そのヘリで病院に戻るぞ! その方がお前も安心だろ?」
「せやな……」
望の言葉に、雄介は安心したような顔をすると、雄介は望の顔を見上げる。
「ん?」
「望からキスしてくれへん? それやったら、痛み忘れるかもしれへんし」
「あ、ああ……分かったよ」
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