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ー波乱ー3
「これならどうだ?」
和也はわざと雄介のズボンの上からモノに触れる。
「ちょ、ちょー! たんまー!! アカンって! 今、……そこっ、押されたら……!」
「強硬手段成功だな……」
和也は勝ち誇ったように腕を組み、上から見下ろして言う。
「雄介ー、トイレ行かないとヤバイんじゃねぇのか? 車椅子で行くのか? ここでするのか? どうする?」
「ほなら、トイレまで連れてってやぁ。流石にお前らの前じゃあ、恥ずかしくて出るもんも出ぇへんやろうしな……ま、望がやってくれるなら、ここでしても構へんどなぁ」
「へぇー、そんなデレデレしたような顔で望の前でしたら、お前の場合には違うもんが出るんじゃねぇのか?」
「そうかもしれへんよなぁ?」
「あのなぁ、なら、やっぱり、雄介の世話は望にやらせらんねぇよな? 望には回診の時にだけ来てもらうことにするからな」
「そりゃ、無いやろー」
と雄介は情けない声を上げる。
「俺たち的には、通常出るもんが出てくれないと困るんだよ! ま、とりあえず、説教はここまでにして、今、車椅子取ってくるからな。裕実、これ、ナースステーションに置いてきてくれねぇか?」
和也はそう言って、記録していた台帳を裕実に渡す。
「はい!」
二人は一旦、雄介の病室を後にし、和也は車椅子を取りに行き、裕実は台帳をナースステーションに置きに向かう。
和也は空いている車椅子を見つけると、再び雄介のいる病室に戻る。
「雄介ー、トイレに行くぞー」
「ああ……」
和也は雄介を車椅子に乗せ、トイレへと向かわせる。
「めっちゃ、スッキリしたわぁ」
「って、どんだけ我慢してたんだよ」
「さぁ、分からへん」
雄介がトイレから戻った後、二人は会話を続ける。
「お前なぁ、今度からは俺が連れて行ってやるから、行きたくなったら俺を呼べよ」
和也は呆れたように言う。
「分かったがなぁ。あー、もー! 和也っていう奴はしつこいんやからなぁ」
「お前の場合には、しつこく言わないとダメだろうが」
「はいはい……」
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