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ー波乱ー96

 その雄介の言葉だけでも望は背中を逸らして後ろにいる雄介の体に体重を掛ける事になる。  望の体重をかけられたくらいでは動じない雄介。  そうする事で望の背中には雄介のモノが当たる。 「息吐いて力抜いてくれたらええねんからな……。 ゆっくりでええからやって……そうやないと、望に負担かける事になるし」  雄介はそう言うと望の背中や首筋を舐めて望の事を落ち着かせるようにするのだが、それはもしかしたら逆効果だったのかもしれない。  望はそれだけでも体を身震いさせ感じ始めてきてしまっているのだから。  雄介は一つため息を吐くと望の足を持ち更に広げて望の後ろの蕾へとその指を入れていく。 「んっ! あぁ!」  すると望は更に声をあげて体をビクつかせるのだ。  雄介の指は熱い筈なのにローションは冷たい。 だが望の中だって相当熱いのだから、そのローションは直ぐに温まってしまう。  ゆっくりと望の中の奥の方に指が入ってきているようだ。 だが今の望はその快感を知っているからなのか雄介が、そうゆっくり望の事を傷付けないようにしていても望の体の方は快感が欲しいと思っているからなのか望の方は段々と腰をくねらせ始め雄介の指を奥にあるポイントへと誘導しているようにも思える。 「そないに動かしてきて、もう、欲しいん?」  その雄介の言葉に涙目になりながら首を思いっきり横に振ってしまっている望。 「そう言うけどな……体の方は正直みたいやで……もう、俺の指を離さないってばかりに締め付けておるしな。 ほんで、腰の方もええ動きさせておるし、その腰の動きで俺の指を望の中にあるポイントへと誘導させておるみたいやしな。 今日はもう何もかも素直になった方がええんとちゃう? そしたら、いつもより快感が体全体にくると思うで……。 俺はそれを意地悪で言ってる訳じゃないで……望の事を気持ちよくさせて上げたいから言うとるんやからな」  そう望に表情が見えるように鏡に向かって笑顔を見せる雄介。  すると望の体からは力が抜けてきたようで望の中ではきっとそれは雄介の今の言葉を信じたという合図なのかもしれない。  その望の行動に雄介はクスリとすると、 「今日は二人しかおらんねんから、いっぱい、望のその可愛い声聞かせてな……」  雄介はそう言うと望の中に入れておいた指を動かし始める。  先程と似たような水音が部屋ないへと響き渡り、きっと望の耳をも刺激し始めてきているのであろう。 「ん! ぁ……!」  もう既に望の体というのは正直なのかもしれない。 雄介が指を動かす度に望の体はビクリとし反応を見せているのだから。

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