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ー波乱ー136
「それは、明後日に体力を残しておけよ。明後日からまたハードな一日が始まるんだろ?だから、治った足にそんなに負担を掛けることはないだろうが……そういう意味で言ったんだ」 「ほなら、ドライブくらいでええわぁ。それから、たまにはホテルでな」
雄介はそう笑顔で言うが、望は急に立ち上がって、
「雄介がそれでいいって言うのだったら、俺的には構わない」
と言っているが、それでは怒っているのか、怒っていないのかが分からない。そして、望は雄介を待たずに二階にある自分の部屋へと行ってしまう。
「ホンマ……望っていうのは分からんやっちゃな」
そう雄介はため息を吐き、足に反動をつけてソファから立ち上がる。そして、お風呂場へと向かう。雄介はお風呂場では浴槽にゆっくり浸かるタイプだ。疲れを取ると、望が戻っていったと思われる二階の部屋へと急ぐ。
望はもう寝ているかと思われたが、どうやらパソコンに向かい何かをしているようだ。
雄介は自分の髪を拭きながら、望がいるところへと向かう。
「何してるん?」
「ん?ちょっとな……親父とメールしてる」
確か望は自分の親父である裕二のことを嫌いだと言っていたはずだが、こうしてメールを交わしているところを見ると、そう仲が悪いわけでもないのかもしれない。
雄介はパソコンの画面にある文字を読み始める。
それに気づいた望だったが、雄介に読まれても平気な文章だったのか、気にせずメールの文章を書き続けていた。
だが、メールの文章を追っている雄介の目が、みるみるうちに変わっていく。
「こ、これ!?」
「ちょっとな……この前、和也のところに泊まった時に和也に教えてもらったんだよ。だから、気になって親父に聞いてみようかと思ってな」
そう、望が裕二に聞こうとしているのは記憶喪失についてだ。
「和也に聞いたんかいな」
「ああ、たまたま和也の家に泊まった時に思い出してな。そしたら話してくれたんだ。記憶喪失で記憶を失って、元に戻ってからもやっぱり、病気のように後遺症みたいなのはあるのか?ってな。俺の場合には、熱が出ると記憶を失くして……どうなるんだったっけ?」
望は裕二にメールを送っている間に、雄介に質問する。
「確か……積極的になる!」
「へぇ、俺の場合には記憶を失くすだけじゃなく、積極的にもなるんだな」
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