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ー波乱ー131
「相変わらずすごい量だな……さすがに朝からこんなに食べられないぞ……」
「残ったら俺が食べるから、ええねんで。望は食べられるだけ食べたらええしな」
「ああ、ありがとうな」
「ずっと休んでおったんやから、これくらいはな」
「んー、まぁ、そうなんだけどさ……俺的にはお前がいるだけで、最近元気になってきたんだよな」
「ん? そうなん? それなら良かったわぁ」
「まぁな」
二人はそんな会話をしながら食事を終えると、出かける準備を始める。
望にとって、いつもはスーツだが、今日は私服姿で出かけることになる。
「久しぶりに私服着ると、すっげー楽なんだな」
「そりゃな……スーツは伸びるような素材ではできてないし、疲れるんやろな?」
「ん……まぁな」
望は着替え終えると、なぜだか雄介の手を取る。
「今日はデートなんだろ?」
「ああ、まぁ……そうなんやけど」
そう言いながら、雄介は絡めてきている望の腕を見る。
「たまには俺からこうしてもいいだろうが……悪いのか?」
その望の質問に、雄介は首を振る。
「なら、早く行こうぜ!」
「あ、ああ……せやな……」
雄介はすぐに笑顔になると、望と二人で階段を降り、リビングに一度入る。お弁当を手にして、望の車が置いてある駐車場へと向かう。
「もう俺の車の運転には慣れただろ? なら、今日はお前が運転してくれよな」
「それは……別にええねんけどな」
そう言うと、雄介は運転席に乗り込み、望は助手席に向かう。
好きな音楽を流しながらのドライブ。そして、隣には好きな人。
今日は休日で道は混んでいるが、二人いるのだから気にしない。たまには、こうやってゆっくりとした時間を過ごしたいと、二人とも思っているのかもしれない。
そして車内は笑いで包まれている。雄介の話はなぜだかおかしくて、望はその隣で声を上げて笑っていた。
それから二時間くらいすると、東京のごみごみした場所を抜けて、目の前には水平線が広がる場所に来ていた。
「今日は晴れとって良かったなー。めっちゃ海、綺麗やんかー」
「ああ、たまには……こういうのもいいよな?」
「もうすぐ着くし、待っておって……後はそうやなー、砂浜に降りられるようなところがあったらええねんけど……」
雄介はそう言いながら、目を凝らして入れるような場所を探している。そして、見つけるとその場所から下へと降りていく。
雄介は車を止め、車から降りると体を伸ばす。
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