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ー波乱ー133

「まぁ、ホンマは砂浜にシートでも広げてお弁当食べようかと思うとったんやけど、やっぱ、まだ外では寒いし、車ん中から水平線でも見ながら食べようや」 「ああ、そうだな」  雄介は望の手を取ると、今来た道を戻って行く。  そして車へと戻ると、後部座席に置いておいたお弁当を取って、二人は車の中でお弁当を口にする。 「スマンな……ホンマはこんなはずじゃなかったんやけど……」 「そこは別に気にしてねぇよ……ま、二人だけで居られるだけでも違うんじゃねぇのか?」 「せやなぁ」  今日は、思い切って海にまで足を運んで来て良かったと思っているのかもしれない。  久しぶりに望がなにもかも忘れて、笑顔だって沢山見れたのだから。  昼ご飯を食べ終えた二人は、昨日雄介が言っていた通りにホテルの方へと向かうのだ。  いつもとは違う雰囲気に、二人は何も考えずに盛り上がり、普段は一回くらいで終わらせるつもりが今日は二回も楽しんでしまったようだ。  帰る頃にはもう辺りは暗くなっていて、東京方面へと戻って来ると夜空に輝く星以上にネオン輝く街となっていた。  あの地震から、もうだいぶ日が経っているからだろうか。完璧にはならないものの、今では夜でも明るい街へと変わって来ている。  二人が帰宅してきたのは夜の十時。  後はもうお風呂に入って、寝る時間だ。  本当に楽しい時間というのは、あっという間に過ぎてしまうもんだ。明日からはもう二人とも仕事。  二人はお風呂から上がると、ベッドの上へと横になる。 「望……」  そう雄介は望の名前を愛おしそうに呼ぶと、望の上に体重をかけないように乗っかり、望の頬を撫でる。 「なんだよ」  望はそう気だるそうに答えるのだが、やはり恋人に名前を呼ばれるのが嬉しいのか、目は若干めんどくさそうにしていたのだが、頬は緩んでしまっているようだ。 「明日一日会えないし、寝る前にキスぐらいはいっぱいさせてぇな」  そう雄介は甘く囁くように言うと、望の唇へと唇を重ねるのだ。  それから雄介は望との甘い時を過ごし、満足したのか体をベッドへと預け瞳を閉じる。  望の方も満足したのか、瞳を閉じるのだった。

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