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ー波乱ー152
きっと麻酔が切れてしまい、その腕に痛みが走ったのだろう。
とりあえず、望はすぐにナースコールを押す。
それで最初に駆け付けて来たのは和也と裕実だった。
目を覚まして望が見たかった人物はきっと恋人の雄介なのだろうが、雄介は仕事でいないのだろうと諦めたような表情をすると、
「和也……痛み止め……」
そうぶっきらぼうに言う望。
「痛いのか?」
「当たり前だろっ! 痛っ!!」
和也のバカな質問にイライラとしたのか、望は大声を上げた。しかし、どうやら今の大声で自分の体に響いてしまったらしい。痛さで顔を歪める望。
それに気付いた和也は薬を持って来てくれた。
その後、和也はふと思い出したことがあったのか、
「あ! 望!」
和也はそう言うと真剣な表情をして、
「しばらくさ、俺たちで望の見張りをすることにしたからな。 まだ、その……望のことをこんな目に合わせた犯人っていうのが捕まっていないんだ。望のお父さんとも話してたんだけど、やっぱり、今回のこの事件は内部犯の可能性が高いって言ってたし、俺と裕実と望の親父さんで交代に望のことを見張ることにしたからな」
「そっか……」
望からしてみれば、その提案は和也や裕実、雄介なら分かるのだが、裕二もとなるとどうやら複雑な感じらしい。
「それと! 望のことを守ってくれたお守りな!」
そう言って和也はニタニタしながら、さっき救急車の中で望に託されたドッグタグをポケットから取り出してくる。
「ここにしまっておくからな……鎖が無いんじゃ首には掛けられないだろうしな」
「ああ、まぁ……」
和也がベッド脇にある引き出しの中にしまおうとしたとき、急にわざとなのか大声を上げ、
「……って、これ? 雄介の名前が入ってんのかぁー!?」
そうふざけながら言う和也に対し、望は顔を真っ赤にしながら、
「いいだろうがっ! それ、置いてけよっ! あー、あぁ!! 痛っ!」
「痛いんだったら、そう興奮なさるなって……」
「興奮させてくるのはどこのどいつだー!」
望は息を切らしながら仰向けになる。
「悪かったな。とりあえず、今は寝るのが一番なんだからさ……もう、また寝ろよ」
望はその和也の言葉にため息をつくと、
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