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ー海上ー30
「ん……ぅうん……」
望の方は一生懸命、玩具を口に含ませていて喋れない状態でもあるのだが例え口が空いていようとそんな恥ずかしい事、雄介のように口に出来る訳ではない。
雄介は望が喋れない事に気付いたのであろう。
「せや……これ邪魔やったんやな……ほなら、もう、これは望の中に入れさせてもらうで……」
雄介は望の手から玩具を引き取ると、ろうそく位の明るさの中、それは望の唾液で光っているように見える。
「十分過ぎるほど、濡らしたみたいやな。 ほな、これが望の中に入るとこ見とってな」
雄介はそう言うとゆっくり望の中へとその玩具を入れていく。
流石にその玩具は指なんかより断然太い。 その玩具がゆっくりと望の中へと入っていく。 やはり望が結構濡らしただけあったのか意外にもすんなりと望の中に入っていっているようだ。
流石にもう何回も雄介とは体を重ねているのだから慣れているというのもあるのかもしれないのだが。
だが全然指よりも太さがあるのだから入れる時は若干痛みで顔を歪ませたものの完全に中に玩具が入ってしまうと安堵したような息が望の口から漏れる。
「望……? どんな感じなん? 透明な液体だって、さっきから溢れっぱなしやんか……」
今日の雄介はなんでこうもいつもとは違う感じなんだろうか?
「ちゃんと答えてくれんと……このスイッチ入れへんで……」
そう雄介が言った直後、望の方はゆっくりと口を開く。
「べ、別に……はぁ……ん……いい……」
望はそう言うと更に真っ赤な顔をして雄介から顔を逸らす。
「ホンマに? それでええんか? これ、本気で抜いてしまうで……」
「あ、ああ……いいって言ってんだろ!」
段々と望の口調が投げやりな感じになってきているのは気のせいであろうか?
「それやったら、望に意地悪な事しとる意味がないやんか……」
雄介の方はそんな望に困ったような表情を見せていた。
「やっぱ、意地悪な事はアカンのか?」
雄介の方は困った顔をしながらも望の顔を覗くと望は何か言いたげに口をパクパクさせている姿が目に入ってくる。
「あの……だからだな……その……」
望はどうやら雄介に何か伝えたいようなのだが上手くそれを口にする事が出来ないようで、そんな自分に情けなくなってきたのか思いっきりため息を漏らすのだ。
そんな大きなため息をされたら雄介の方だって気づかない訳がないだろう。
「流石に……今日の俺に嫌気がさしたか? そんだったら、ホンマにスマン。 ただ単に俺が暴走してもうただけやし」
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