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ー海上ー50
望は一度顔を俯け、息を吐いた。
「本当にお前……俺のこと、好きだったんだな。でも、なんで俺にそのことを言わなかったんだ?」
「あれ?それって前に言わなかったっけ?」
その望の言葉に、和也はシートから体を起こし、望を見つめた。
「聞いたような気がするけど、忘れた……」
和也は再びシートに体を預け、口を開く。
「本当に俺は望のことが好きだったからな……俺が望に告白でもして、逆にお前が離れてしまうのが怖かったんだ。だから、なかなか告白できなかったんだよ。でも、一度思いっきり喧嘩してみてわかったんだ。友達としてでもいいから、望と一緒にいたいってな。それで、俺は望を諦めることができたんだと思う。でも、神様はちゃんと俺を見ててくれたんだよ。今は裕実に出会えて、本当に良かったと思ってるしさ。裕実も俺のことが好きで、俺も裕実のことが好き。確かに俺たちも些細なことで喧嘩するけど、でも仲直りはできる。それに、望とだとなんか長続きする感じもしなかったしな。望には雄介がお似合いなんだと思うぜ。それに、俺からすると、望は親友くらいがちょうどいいんだって気づいたんだよ」
「俺も和也の言う通りなんだと思う。和也との関係は親友でいいし、それに、その方が和也と気楽に話せるしな」
「確かに!お前さ、俺と親友だと思うようになってからは、前よりも話してる気がするしな」
「ああ、そこは……前よりも話しやすくなったっていうのかな?」
その時、和也の胸ポケットに入っていた携帯が震えた。
「裕実からだろうな」
そう言って、和也はウキウキしながら携帯を開く。和也の予想通り、メールの主は裕実だった。
『はーい!わかりました。今、着替え終えたので、これから駐車場に向かいますね』
そのメールを確認すると、和也は携帯を胸ポケットにしまった。
「望、裕実が来るから後部座席に移ってくれよ」
「わかってるよ」
そう言うと、望は後部座席へと移動した。
「なぁ、俺の家に来るのはいいんだけどさ……やっぱり、お前らはあの部屋を使うのか?」
「こんなチャンス滅多にないからな……もちろん、使わせてもらう予定だけど?」
「あのなぁ、俺の相手がいない時に、何もしなくてもいいだろう」
「ん?望、4Pしたいのか?」
「ば、馬鹿!違ぇよ!」
「じゃあ、3Pか!?」
「違うっつーの!どうしてお前はそっちの方に考えるんだよ!?」
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