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ー海上ー69
とりあえず人が多い中、場所の方は確保出来た四人。 そこにシートを敷いて、普段疲れている体を癒す為に横になる。
「ま、たまには仕事から解放されてゆっくりすのもええなぁ」
「だな……」
そんな会話をしていると、雄介と和也がのんびりとしている側に三人の女性達が声を掛けてきた。
「あのー、スイマセン……もしよろしければ、一緒に遊びませんか?」
そう、一人の女性が声を掛けて来ると、雄介は横にしていた体を起こし、
「ん? 何? 俺等に声掛けて来たん?」
雄介はそう言いながら三人がいる方向に顔を向ける。
その女性達は見た目からすると、多分、二十代後半位だろうか? この夏の為にダイエットでもしたのであろうか。 体の方は細く、まるで自分達は体に自信はあります的な感じだ。
でも、そこはやはり男である雄介。 徐々にだが、段々と顔が歪んできているようにも思える。
そんな中、和也の方も半身を起こして来て、その女性達の事を見上げるのだ。
「何々? 俺達に興味あんの? 君達は誰に興味あるのかな?」
なんて和也も一緒になって話をしてしまっている状態だ。
そんな二人の様子に望も裕実もいい顔をしている訳がない。
「そうですねぇ、私は貴方がいいですわぁ」
そう、三人の中でも真ん中に立っている女性が和也の事を指差して言う。
「まだ、お名前とか聞いてなくて『貴方』とお呼びしてしまい、申し訳ないんですけどね」
「やっぱり、俺かぁ」
和也もこう女性にナンパされるのも悪くはないようで、雄介同様に鼻の下を伸ばしている状態だ。
そんな和也に、雄介の方は気持ち的にはやはり和也はライバル視しているからなのか、雄介の方も負けじとその他の二人に聞いてみたようだ。
「後の二人はどうなん?」
先程の女性に比べて、もう二人の方は見た目的にはその女性よりかは大人しそうな雰囲気があった。 しかも、三人ともやはり体に自信があるのであろうビキニ姿だ。
「私は、貴方の方が……」
「私も貴方の方がお好みですけど」
そう、その二人は雄介の方へと視線を向けてそう言っている。
「なーんだ……雄介の方が人気があるって訳だ」
「……って、お前等なー!」
と今まで黙って見ていた望だったのだが、望の方も話だけは聞いていたのか半身だけを起こすと、その女性達には見えない所で雄介の事を睨み上げるのだ。
流石にその望の鋭い視線に気付いた雄介は急に顔色を変えて、
「あ、せやせや! ま、俺達には連れが居るし、俺等の方はアカンねんで、とりあえず、今はここに居てないだけやしな」
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