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ー海上ー113
望は和也の今の言葉に何を考えているのか、少しその和也の言葉を考えているようだ。
「だから、そこは考えるような所じゃねぇんだって。それと、望は人に甘えるって事をしたことねぇから、恥ずかしいと思っていることなんだろうけど、これは俺の好意だから、そこは素直に受け取ってくれると嬉しいんだけどな。それにさっき望が言ってくれただろ? 『友達として心配なんだって』な。だから、俺も望にはそう思ってるんだよ」
望はその和也の言葉に何かスッキリとしたのか、軽く微笑むと、
「分かったよ……ありがとうな。今、俺はお前の立場になって分かったよ。俺が今の和也の立場だったらそうしたいって思うからな」
その望の言葉に和也は微笑むと、
「じゃあ、行こうぜ!それと俺の方は明日のお前等のデートの方は邪魔しねぇからよ。雄介が帰宅してきたら勝手に帰るしさ」
真面目な話をしていたかと思うと、和也の方は相変わらずふざけたような事を言っている。
「ちょ、お前!それを何処で!?」
「ん? 俺の耳は地極耳ですからー!そういう事はちゃんと聞いてんだよ」
和也の方は最後までそう言い切ると、急に殺気を感じたようだ。望に叩かれると思ったのか、先にドアの前の方へと逃げていた。
「ほら、行くぞ!それでなくても今日は船の事故で疲れてんだからさぁ、休める時に体休めておかないとだろ?」
「……ったく。分かってるよ」
望はそう言うと椅子から立ち上がり、和也の後に着いて部屋を出て行く。
職員用出口に向かう中、望は口を開く。
「あのさぁ、俺の運転でいいから家まで俺の車で行かせてもらうからな」
「ま、それは構わないんだけどよ。でも、なんでだよ」
そう聞く和也はわざとなのか、顔をニヤつかせているようだ。
「だ、だからだな……」
望はそこまで言うと、何故かそこで言葉を詰まらせている。
「なら、俺の車いいんじゃねぇ? そしたら、明日雄介が帰って来たら直ぐに帰れるんだしさぁ」
「あー、もー! 話せばいいんだろ?」
その望の言葉に和也は笑顔で首を縦に振る。
「明日は雄介と一緒に眼鏡を見に行くんだよ……だから、車が必要な訳だ」
その望の言葉に和也は笑顔で首を縦に振り続けていたが、急に首を傾げて、
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