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ー海上ー135

 望はその雄介の言葉にひと息吐くと、 「だから、俺はお前のその笑顔に弱いんだよっ!」  そう部屋に響き渡りそうな大きな声でそう言うと再び望は枕へと顔を伏せてしまうのだ。 「そういう事やったんかいな……なんや、望にそう言ってもらえるとめっちゃ嬉しいねんけどな……」 「だからって調子に乗るんじゃねぇぞ……そういう事を言って調子に乗る所がお前の悪い癖なんだからなぁ」 「分かっとるって……調子に乗るとまた望がヘソ曲げてしまうしな」  雄介はクスリとすると望の背中を摩り首や背中を舐めていく。 「ぁ……そ、それが……調子に乗ってる……って……」 「これは違うやろ? 俺は望の事を気持ち良くさせたいって思うとるだけなんやしなぁ。 調子に乗るっていうのはもっと違う感じやと思うねんけど? それに、俺が舐めただけで感じておるんは誰や? また、体がビクってなっとるやんかぁ」  そこまで雄介に言われると言い返せなくなってしまった望は仕方なく枕に顔を伏せたままにしてしまう。 「な、望……俺に背中向けて……もうええって事なんか? ほんなら、もう、お前ん中慣らさせてもらうで……」  雄介はそう言うと一旦ベッドから離れて鞄の中からローション等を取りに行くのだ。  その間、望の方は顔を上げる事は出来ずに顔を枕に伏せたままでいた。  それからすぐに雄介はベッドへと戻って来て、 「今日はな……あの部屋から色々と持って来たんやで……」  その雄介の言葉に望は今までうつ伏せにしていた体を上半身を起こすと少し怒ったような表情で、 「前に言わなかったか? そんな物使うなって……」 「あー……スマン、忘れておったわぁ……そういや、望は俺のだけで十分やって言っておったけな? ほなら、これは持って来たけど、使わないようにするな……せやね、そないな事で喧嘩とかっていうのしたぁないしな。 まぁ、とりあえずローションだけって事な……」  望はその雄介の言葉に『うん』とは答えなかったのだが起こしていた半身を再びうつ伏せの状態にすると、その望の行動に雄介の方は望が言いたい事がわかったのであろう。 その望の行動に軽く微笑むと再び望の背中を撫で始める。 そして望の耳そばで、 「望……腰上げて……」  その甘く色っぽい声に望の方は本当に弱いようで、 「雄介……ホントに……ぁ……ズル過ぎ……ん!」 「今度は何がズルいんや? 言ってくれへんと分からへんで……」

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