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ー海上ー150
「まったくー、勝手に電話しておいて勝手に電話切るんだもんなぁ。しかも、今の電話、何がなんだかさっぱりだったしよ」
そう望は切られてしまった電話の方に向かい、独り言を漏らす。
「ほんで、何で望の親父さんは望のことを呼び出したん?」
「ああ、それな。いや、親父の奴……肝心な所は全く言わなかったんだよな。だから俺には分からなかったっていうのかな?まぁ、とりあえず俺にその誰かを合わせたいとは言ってたんだけどな……あ! そうそう! 雄介も来てくれとも言ってたんだぜ」
「はぁ!? 何でやねん……俺なんかむっちゃ関係あらへんやんかぁ」
「それが分からないんだよなぁ。そうそう! 雄介のことも呼び出す理由もさ」
「……って、何か親父さんが言ってた言葉っていうのはないんか?」
「ん? あ、まぁ……とりあえず『俺にとって大事な人』というのは結構言ってたな」
「ほな、望のお嫁さん探しとか?」
「それは違うって言ってたよ。『お前は雄介君と仲良くやってるみたいだから邪魔する気はない』とまで言ってたしな」
「ほな、嫁さんじゃないとすると……何やろな? 他にヒントみたいなのは?」
「後は『家族』かな?」
「ほな、望と暫く会ってないと思われるオカン!」
「お母さんも言ってみたのだけど、違うって言われたしな。ってか、お前なぁ、今の電話の話聞いてなかったのかよー。俺と同じ答えを出してもしょうがねぇだろうが……それじゃあ、意味ねぇじゃねぇか」
「そういうけどな……全くもって俺の方も思いあたらへんもん」
そう雄介の方は拗ねるように答えるのだ。
雄介はそうは言うものの、運転しながら真剣に考えている。
「……あ! 弟とか妹ってことはないんか? って、望の親父さん、どれだけ海外に行ってたん?」
「ん? あー、確かもう俺が小さい時には居なかったもんな……俺はおばあちゃんに育てられたしよ」
「そんな頃から親父さんは海外に行っておったんか!?」
「ああ、だからいつも俺は一人だったんだよな? まぁ、おばあちゃんは俺が高校の時には亡くなったしよ。そっからは一人暮らしはしてたけど、沢山の友達がいたから平気だったっていうのかな?」
「ほな、家族って言うんやったら……弟か妹の線が高くなったっていう訳かぁ」
「はぁ!? 弟か? 妹!?」
「……って、それしか逆にないんと違う? おばあちゃんは日本に居ったって言うんやし、そしたらじいちゃんや婆ちゃんは消えんねんやろ? そしたらもう妹か弟しか残らんと違う?」
「……はぁ!? 今更、弟だの妹だのって遅くねぇ?」
「まぁ、望が驚くのも無理ないやろな? ま、とりあえず院長室に行ってからのお楽しみって事やんな」
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