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ー崩落ー14

「あ! せやな! お前らはまだ飯食うてへんのやったんか? 来るのが分かってたら早めに作っといたんやけど……。 それに、望の分と俺の分しかあらへんしー」 「んじゃあ、雄介、飯よろしく! その間に望の様子見てくるからさっ!」  和也はそう言ってリビングを出ると、望のところには行かずにリビングの外で時間を潰す。頃合いを見計らって、再びリビングへと戻ってきた。 「雄介なぁ、望さ……トイレは済ませたみたいなんだけど、疲れたから今日はもう休むってさ」 「……へ? そうなんか?」 「ああ……」  和也はそう答えると、ソファに腰を下ろした。 「望にしては珍しいやんな。どんなに疲れてても、俺には顔くらい見せるんやけど……」  雄介は独り言のように呟いた。その言葉に耳を傾けていた和也。すると、裕実が和也に近づき、小声で話しかけてくる。 「和也……なんとか望さんと雄介さんを合わせないようにできるんでしょうか?」 「そんなの分かんねぇよ。雄介には悪いけど、望の言う通り、しばらくは会わせるわけにはいかねぇかな? 少なくとも明後日までは無理だろうな? いや、下手すると一週間くらい望は会えねぇかもしれねぇよな?」 「確かにそうなんですけど……僕がもしそんな状態で一週間も和也に会えないのは……って考えたら辛くて」 「俺だって同じに決まってるだろ? それに、そんなときは俺がちゃんとお前の看病するからな」  和也はそう言って裕実の体を抱きしめた。 「ちょ! 和也! キツく抱きしめ過ぎですよー! 苦しいんですからー!」  二人がそんなやり取りをしていると、気づいた時には雄介がそばに来ていた。 「ご飯、出来たで……」  雄介は寂しそうに言い、リビングのテーブルの方へ向かった。テーブルに着く頃にはため息を漏らしていた。 「だよな……やっぱ、雄介もそうなんだなーって思ったよ。今の雄介の顔、見たか? いつもの雄介なんだけど……どっか暗い感じがするよな? 雄介だって、望に会えなきゃ暗くなるよな。俺たちもそう思ったくらいだしさ」 「でも、望さんの気持ちも汲まなきゃいけないんですもんね?」 「だよな。どうしたらいいんだろ?」 「望さんの意見を汲むべきか、雄介さんの意見を汲むべきか……ですよね?」

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